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父が大嫌いでした。

 

山が大好きで、暇があれば山登りに行き、
どっかに連れていけといえば、

 

すぐ山に連れて行こうとする。
父が大嫌いでした。

 

変わり者の父でしたが、
山登り仲間は沢山いたのを覚えています。

 

父は山岳会に入っていて、
仲間とボロ石山の整備に取り組んでいました。

 

石を積んで登り、足元を整備したり、
山小屋を作ったり。

 

果ては
障害のある方を背中にしょって山登りしたり、
目の見えない方、盲導犬と一緒に山登りをしたりもしていました。

 

同じ山に何回も何回も繰り返し繰り返し登って何が面白いのか。

山登りの魅力も含め、父の事をあんまり積極的に理解しようとは思いませんでしたから。

 

大人になるまで、思い出すこともなかったんです。

 
そんな父が、大腸がん、全身転移で亡くなり、

もう4年。

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仲間が、山登りに行こうというので、
たまたま気が向いて、滅多に行かない山登りに行くことにしました。

 

ボロ石山を登るのは初めてではありません。
小学生のころ、
父にも何度か連れて行かれた記憶があります。

 

仲間と楽しく、くだらない話をしながら登る山は楽しかったです。

空気もよく、すれ違うハイカーさんとご挨拶したり、声をかけあったり。

 

 

山登り、結構気持ちいいですね。

 

 

仲間と楽しく、山登りをしながら。
私はふと気がついたことがありました。

 

『この山、登りやすい』

 

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危ないところには落ちないようにロープが張っていたり、迷いそうなところにはリボンで目印が付いていたり。

 

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急な斜面にはガイドロープがあったり、
丈夫なはしごがかかっていたり、

 

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あちこちに案内標識があり、とても助かりました。

 

 

象の墓場、といわれる岩に囲まれた谷があって。
そこにたどりついた瞬間。

 

忘れていた記憶が、ぱあっと蘇りました。

 

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あ、私、ここ、来たことがある!

 

 

確か、父に連れられて泊まりでこの谷で!
父の仲間とキャンプをして、ハンモックで寝たんだった!!

 

ひやっとした空気と、
こけっぽい匂いの岩。
記憶が鮮明に蘇えりました。

 

それから、山を登りながら、いつしか私は父の事ばかり考えていました。

 

この山を、石を担いで登るのは大変だったろうなあ、人を背負って、登るのは、ましてやどんなにか、大変だったろうなあ。

 

この立派な山小屋は、父や仲間が、建てたのだなあ。

 

山登りに来た方が、

安全に登れるように。
楽しんで登れるように。
迷わないように。
山頂にたどりつけるように。

 

なんか、考えだしたらこみ上げてくるものがありました。

 

家族に構ってくれず好きなことばかりして。
文句を散々いわれても言い返すこともせず。
ひたすら山を登り続けた、父。

 

変わり者の父は、
誰に惜しまれることもなく、
最後は、家族だけの寂しい葬式でしたが。

 

こうやって、ここに。
確かに生きた証があり、
この山に登りに来た、沢山の方に感謝されて、
今でも、安全を支えてくれているんだなあ…
と思ったら…

 

お葬式でも出て来なかった、
涙がふと、でてきました。

 

ごめんね、沢山文句いって、理解してあげなくて、ごめんね。

 

山頂の岩からみる景色は、横に広くって爽快で。
登ってよかったなあ…とおもいました。

 

ありがとう、お父さん。

 

 

 

ふと思うと、
私も今同じ事をしていることに気がつきました。

 

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ここは危ないよ、気をつけて。
こっちだよ、迷わないでね。
あと、どれ位で山頂まていけるよ、頑張って。
ここは登りにくいから、はしごをかけてあげようかな。ここにロープかあったら、登りやすいんじゃないかな。
ここは見所だよ、こんなストーリーがあるよ。
疲れたら、ここで一休みしてね。

 

 

山登りは人生に似ている。

 

 

そうは思いませんか?

 

 

どの山を選んでも、よいと思います。

 

たまたま私が選んだ山は、まだあんまり登った人は沢山はいなくて。

 

枝が茂っていたり、

 

迷いそうなとこが沢山あったり。
急で危なそうな難所があったり。
傷だらけになりながら、時には迷いながら、

 

時にはもうやめようかと思いながら…それでも登り続けたら、頂上らしきとこに何とか辿り着けて…
私がそこで見た景色は、本当に登って良かったと。この山を選んで良かったと。

心から思うから…

 

 

時には降りて行って、

余計な御世話かも知れないけど、目印をつけたり、ロープをかけたり、標識をつけたり…
私も父と同じ事をしてるんだなあ。

 

 

今私は、全国に沢山の仲間がいて、まだまだ謎の多い道を、みんなで情報を共有しながら、

 

身体で切り開いている途中です。

 

皆さんが、安全に。
この山を登りきる事ができますように!!

 

心から応援しています!!

 

そして、私自身も

先輩の皆さんがつけてくれた沢山の目印や、
ロープのおかげで、
この山の頂上らしきところに、辿り着けたことを
改めて感謝いたします。

 

 

人生は、山登りに似てる!

 

 

GAGAでした!