Spencer Ackerman
オサマ・ビン・ラディン容疑者のハードディスクや記録装置等を分析している米国の情報機関は、パキスタンのアボタバードにあった隠れ家からかなり詳しい指示が出されていたことがわかったと発表している。しかし同容疑者は、何年もインターネットや電話網を避ける生活をしていた。どうやって外界に指示を出していたのだろうか。
工作員宛にメッセージを送りたい場合は、パーソナル・コンピューターでをメッセージを作り、そのドキュメントをUSBメモリに移して、連絡係に渡していたという。米政府当局はAP通信に対し、連絡係は「遠くのインターネットカフェ」に車で行き、コンピューターのUSBポートにそのUSBメモリを差し込んで、ビン・ラディン容疑者のメッセージを電子メールで送信していたと説明している。
これにはセキュリティー上の欠陥がある。パキスタンのインターネットカフェにも、危険なワームが潜んでいるかもしれない。それがUSBメモリに感染して、ビン・ラディン容疑者のコンピューターに入り込む可能性がある。
米軍は、2008年にUSBメモリから軍のセキュアネットワークにワームが広がったのを受けて、リムーバブル・メディアを一時的に禁止した(その後、禁止は解除され、再び禁止された)。国防総省はこれを外国のスパイ攻撃だと主張している。
米国の国家安全保障局(NSA)が、パキスタンのインターネットカフェや怪しいIPアドレスを監視していなかったとは考えられない。ウイルスを放つことのできる米国の諜報員がいないということはないだろう。
こうすればより安全だったはずだ。ウェブベースのシステムで、例えば「Catlover622@webmail」のような当たり障りのないダミーのアカウントを作り、必要な諜報員にパスワードを渡す。メッセージは実在しないアドレスに送信して、各自にログインしてバウンスメールを読ませるのだ。
ところで、諜報機関の職員は、押収したビン・ラディン容疑者のハードディスクの内容を調べていて大発見をしたようだ。Reutersは見事な冷静さで、こう報じている。「パキスタンのアボタバードにあったラディンの隠れ家で、現代的に電子記録されたビデオからなる、ポルノグラフィーがかなり大量に発見された」[リンク先の記事は、隠れ家のどこで発見されたか、誰が見ていたか等は不明としている]
もしこれがCIAによる情報作戦のひとつであるなら(そうでないはずがないが)、かなり大きな影響力があるだろう。ビン・ラディン容疑者は今まで、敬虔で、暴力的なイスラム反乱の指導者という公的なイメージがあったからだ。Twitterには、このことをパロディにしたハッシュタグ「#binLadenpr0n」もすでに登場してる。
{この翻訳は抄訳で、別の英文記事の内容も統合しています}
[日本語版:ガリレオ-緒方 亮]
WIRED NEWS 原文(English)