企業のクラウド化を加速するアップデート
ヴィームでは、2021年の注力領域を「クラウド」「セキュリティ」「コンテナ」の3つとしている。この方針のもと、継続的なデータ保護、強化されたLinuxレポジトリ、クラウドへのアーカイブなどを実現した「Veeam Backup & Replication v11」が、2021年上半期にリリースされた。
10月下旬から提供が始まる「v11a」はそのアップデート版となる。Windows Server 2022を含むサポートプラットフォームの拡大と、データの場所に関係なくデータを確実に保護するための幅広い機能を提供する。
企業がクラウドを活用することを支援するアップデートとしては、新しいAmazon EFSファイルシステム、新しいAzure SQLデータベースのネイティブバックアップとリカバリ機能を拡張。また、ポリシーベースの自動化により、管理の容易化に加えてスクリプトを不要とすることで、高速かつ柔軟なリカバリによる24時間365日の運用を可能とした。
クラウド下のセキュリティと制御の向上としては、暗号化されたバックアップデータをランサムウェアやそのほかのサイバー脅威から保護するために、新しいAmazon KMSおよび新しいAzure Key Vaultとの統合と、ロールベースアクセス制御(RBAC)により、誰が何にアクセスできるかを合理的に制御し、セキュリティを向上させる。
コスト削減に向けては、低コストのアーカイブストレージであるAmazon S3 Glacier、S3 Glacier Deep Archive、Azure Blob Archive、Google Cloud Archiveのストレージを新たにサポートし、コストを最大1/50に削減するとした。
このほか、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、および新しいGoogle Cloud Platform(GCP)のバックアップとリカバリを、使いやすい単一のコンソールで一元化する。すべてのVeeamバックアップをAWS、Azure、GCPに直接リストアし、無制限のクラウドモビリティを実現するとしている。
クラウド化を加速する機能強化また今回のバージョンアップでは、複数のプラットフォームにまたがるワークロードの保護を新たにサポートし、より多くのOSやハイパーバイザーのサポートを実現している。まずは、Kubernetesバックアップとリカバリを強化し、買収したKastenのK10とVeeam Backup & Replication v11aのリポジトリをターゲットにできるロケーションプロファイルを追加した。
「KastenはVeeamとは異なる生い立ちで開発されたソフトウェアであり、一気に統合することは難しいことから、段階を経て統合していくことを考えている」(スピテリ氏)。
ハイパーバイザーでは、Red Hat Virtualization上のワークロードの保護を可能とした。さらに、Windows AIXとSolarisのサポートとして、Microsoft ServerとクライアントOSの最新バージョンの採用。新しいプラットフォームの機能強化とサポート性を備えた継続的データ保護(CDP)の搭載により、ダウンタイムを排除し、Tier 1でのVMwareワークロードのデータ損失を最小限に抑えられる機能も加わっている。
サポートされるプラットフォームの拡張