初期のWebビデオがどんなものだったのか覚えていますか? スタンドアローンのプレーヤー、低速で不安定な接続、過負荷なサーバー、そして今まで存在していたバッファリングメッセージは、20年も前に標準策定されたものでした。
今日、技術の進歩と幅広い標準のおかげで、物事はずっと改善されています。 視聴者は現在様々な操作が可能で、様々な形、サイズのデバイスを使用して、ブロードキャスト、ストリーミング、またはOTTで送信されたライブおよび録画コンテンツを楽しむことができ、それらコンテンツへの即時アクセスが期待できます。 これらの期待に応えることは、コンテンツクリエイターとディストリビューターにとってのチャレンジです。 ワンサイズのすべての形式でビデオを生成する代わりに、メディアサーバーは、幅広いサイズ、フォーマット、およびビットレートに対応するビデオを制作する準備ができていなければなりません。計画的または計画外の需要の急増にも注意をしなければなりません。このような複雑さに直面しても、コンテンツ収益化モデルを保護するために、コンテンツ及び安定供給するインフラ準備が必要となります。
New AWS Media Services
2017年11月27日、上記課題の1つまたは複数に対応するよう設計された、様々な放送品質のメディアサービスを開始します。これらを一緒に使用して完全なエンドツーエンドのビデオソリューションを構築することも、ビルディングブロックスタイルで1つ以上のサービスを組み合わせて使用することもできます。皆様はインフラストラクチャーのセットアップに使う時間を短縮し、より革新的なコンテンツの作成、配信、収益化に集中することが可能です。サービスはすべて伸縮可能であり、処理能力、接続、ストレージを強化し、100万ユーザー(およびそれを超える)のスパイクを容易に処理できます。
サービスは次のとおりです(一連のインタラクティブコンソールや、包括的なAPIセットからアクセスできます)。
AWS Elemental MediaConvert – OTT、ブロードキャスト、またはアーカイブのためのファイルベースのトランスコーディングサービスで、さまざまなフォーマットやコーデックをサポートします。 マルチチャンネルオーディオ、グラフィックオーバーレイ、クローズドキャプション、いくつかのDRMオプション機能をサポートしています。
AWS Elemental MediaLive – テレビやマルチスクリーンデバイスにリアルタイムでビデオストリームを配信するライブエンコーディングサービスです。エンコードパラメータを完全に制御しながら、信頼性の高いライブチャネルを数分で展開できます。 広告挿入、マルチチャンネルオーディオ、グラフィックオーバーレイ、クローズドキャプションをサポートしています。
AWS Elemental MediaPackage – オリジンサーバーとジャストインタイムパッケージのサービスです。 1つのビデオ入力から、複数のデバイスで視聴するために様々な形式のビデオ出力を生成します。 複数の収益モデル、タイムシフトライブストリーミング、広告挿入、DRM、ブラックアウト管理をサポートしています。
AWS Elemental MediaStore – Amazon Simple Storage Service(S3)の規模と耐久性を活用しながら、ライブストリーミングのような高性能かつ低遅延のアプリケーションで利用可能なメディア最適化ストレージサービスです。
AWS Elemental MediaTailor – 広告配信とサーバーサイド広告挿入、幅広いデバイス、トランスコード、サーバーサイドとクライアントサイドの広告挿入の正確なレポートをサポートする収益化サービスです。
以下のセクションでは、すべての機能をリストするのではなく、できるだけ多くのスクリーンショットをご紹介し、豊富な機能セットとこれら一連のサービスによって得られる設定をよりご理解いただけるように努めます。
AWS Elemental MediaConvert
MediaConvertでは、ファイルに格納されているコンテンツをトランスコードすることができます。 個々のファイルやメディアライブラリ全体を処理することができます。コンテンツと目的の出力を指定する変換ジョブを作成し、それをMediaConvertに送信するだけです。これらはインストールやパッチ適用の必要がなく、納期やパフォーマンスに影響を与えずにニーズに合わせてサービス拡張できます。
MediaConvertのコンソールでは、出力プリセット、ジョブテンプレート、キュー、およびジョブを管理できます:
ビルドインシステムのプリセットを使用することも、独自のプリセットを作成することもできます。 独自プリセットにより設定をフルコントロール可能です:
ジョブテンプレートには名前が付けられ、1つ以上の出力グループが生成されます。クリックしてテンプレートに新しいグループを追加することができます:
すべての準備が整ったら、いくつかの最終的な選択を行いジョブを作成するために「Create」をクリックします。
それぞれのアカウントにおいて、ジョブのデフォルトキューで処理を開始します。キューに入力された仕事はそれぞれのアカウントで使用可能なすべての処理リソースを使用して並列に処理されます。キューに仕事を追加しても、処理リソースは追加されませんが、キュー全体に配分されます。また、あるキューを一時停止して、他のキューに多くのリソースを割り当てることも可能です。より多くのリソースを他に費やすために、キューを一時停止することも可能です。また一時停止したキューにジョブをサブミットすることも可能で、まだ開始していないキューをキャンセルすることもできます。
このサービスの価格は、処理するビデオの量と使用する機能に基づきます。
AWS Elemental MediaLive
このサービスはライブエンコーディング用で、24時間365日稼働させることができます。 MediaLiveチャンネルは、放送業界で顧客が期待する信頼性を提供するために、2つの物理的に分離されたアベイラビリティゾーンに分散した冗長構成で展開されます。 入力信号を指定し、MediaLiveコンソールでチャンネルを定義することが可能です。
入力設定を作成した後、チャンネルを作成し入力設定にアタッチします:
各チャンネルの設定を完全に制御できます:
AWS Elemental MediaPackage
このサービスにより、単一のソースから様々なデバイスにビデオ配信が可能です。コンテンツ保護とジャストインタイムパッケージングに重点を置いており、ユーザーが希望するコンテンツをユーザーが選択した様々なデバイスに提供することができます。チャンネルを作成するだけで利用可能です:
その後、1つ以上のエンドポイントを追加します。 再度申し上げますが、開始ウィンドウやディレイを含む様々なオプション設定が指定でき、フルコントロール可能です:
チャンネルの入力URL、ユーザー名、およびパスワードを確認し、パッケージ化のためにライブビデオストリームをルーティングして利用可能です。
AWS Elemental MediaStore
MediaStoreは、ライブおよびオンデマンドメディア配信に必要なパフォーマンス、一貫性、およびレイテンシを提供します。オブジェクトは、限られた時間の間、オブジェクトストレージの新しい「一時的な」層へ書き込み、読み取られ、S3に暗黙的に移動して長期間の耐久性を実現します。メディアコンテンツをグループ化するためのストレージコンテナを作成するだけで利用可能です。
コンテナは1分程度で利用可能になります:
S3バケットと同様に、MediaStoreコンテナにはアクセスポリシーの設定が可能で、オブジェクトまたはストレージ容量に制限はありません。
MediaStoreは、リクエストレートやパフォーマンス要件に従って、オブジェクトのキー名で管理することにより、容量やスループットの面でS3を最大限に活用するのに役立ちます。
AWS Elemental MediaTailor
このサービスは、サーバー側の広告挿入を処理しながら、即座に広告アセットをトランスコードすることにより、放送品質の視聴者体験を提供します。お客様のビデオプレーヤーがMediaTailorにプレイリストを要求すると、広告サーバを呼び出し、元の動画のオリジナルサーバを参照するプレイリストと、広告サーバが推奨する広告を返します。ビデオプレーヤーは、クライアント側の広告ブロッキングが働かないように、すべての要求を単一のエンドポイントで送信します。 MediaTailor設定を作成するだけで可能です:
コンテキスト情報は、以下のURLにある広告サーバーに渡されます:
このポストの長さにもかかわらず、かろうじてAWS Media Serviceの一面をご紹介できただけです。AWS re:Invent後に、より詳細にこれらのサービスの使い方をご紹介させていただければとおもいます。
Available Now
AWS Media Servicesのセット全体が今すぐ利用可能です。価格はサービスによって異なりますが、利用量課金モデルで提供されています。
— Jeff;
原文:AWS Media Services – Process, Store, and Monetize Cloud-Based Video(翻訳:SA安司)