様々なユースケースを想定した全方位の進化
その上原氏からバトンを受けたのが佐藤壮一氏(Azureビジネス本部 プロダクトマネージャー / Azure SME)だ。同氏は、プライベートイベント「Microsoft Build 2021」(2021年5月下旬に実施)で発表した内容を含めて、Azureの機能群の最新ハイライトを紹介した。
日本マイクロソフトでAzureビジネス本部 プロダクトマネージャー / Azure SMEを務める佐藤壮一氏まずはAzureのインフラ的な側面から話を切り出し、コンピュート能力の高さを訴求。仮想マシンは、最大で960コア、メモリーは最大24テラバイト、ストレージは160k IOPS、ネットワークは100Gビット/秒といった数値を示した上で「それぞれ目をみはる性能と自負していますが、パフォーマンスもスケーラビリティも非常に高いことから、結果としてミッションクリティカルなワークロードを稼働させられます。しかも必要なタイミングで必要な量だけ利用できることが大きなメリットであることは言うまでもありません」(佐藤氏)とした。
また、一般的な仮想マシンだけではなく、HPCやGPUはもちろん、SAP S/4HANA認定済など特定用途に対応した仮想マシンも拡充している。VMware仮想マシンをAzureのデータセンターで使うこともできるし、仮想デスクトップのイメージファイルの格納などに向くストレージとしてAzure上で利用できるNetAppストレージも用意。さらにLinux(RedHat、SUSE)やコンテナの稼働環境というシナリオにも抜かりなく対応しており、ここではライセンスコストの最適化も図られていることが注目株だ。
IaaSを便利に楽に使うための取り組みの一環として紹介したのが「Azure Automanage」と「Windows Admin Center(WAC) In Azure」である。「Azure Automanageを使うと半自動的にIaaSを管理でき、まるでPaaSのように、あるいはマネージドサービス風に使えるようになります。HTML5ベースの管理ツールであるWACは、オンプレ環境でヘビーに使って頂いていましたが、先祖がえりするような形でAzureのPortalに統合する取り組みを進めています」と佐藤氏は説明する。