アメリカと韓国では今月から、日本では2020年までにようやく商業サービスが始まろうかという次世代移動通信規格“5G”だが、イギリスの農村地帯では牛さんたちが早くも5Gの恩恵にあずかっているそうだ。
イギリス南西部の町、シェプトン・マレットにある農場では、首周りと耳に自動搾乳システム及び健康監視用のタグを取り付けられた乳牛たちが、5G接続されたセンサーによってリアルタイムで監視されている。世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社シスコシステムズが、農業における5Gの可能性をテストしている現場だ。
牛たちはおっぱいが張ってくると自ら搾乳ロボットに寄ってくる。それから、乳頭を洗浄して真空カップを取り付けて搾乳し、乳成文を分析するところまでが全自動で行われる。これらの工程自体は目新しいことでもないが、田舎の低速ブロードバンド接続を経由せずとも、何頭分ものデータを大量かつ高速にやり取りできるのが5Gモバイル接続の強み。遠隔地のセンサーやドローンから情報を送信するのに向いており、農業プロセスの自動化に役立つという。
搾乳ロボット、配合飼料を配って回る給餌機、体をこすってやるブラシなどが設置された牛舎の中を牛たちは自由に動き回ることができる。牛たちの行動はすべてタグと5Gセンサーによって管理されるので、酪農家は牛舎にいない時も牛たちの状態を把握できる。ただ、かなり省力化されたとはいえ、牛たちの寝床を替えてやるのにはまだ人手が要るようだ。
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